体内に糸を残さないより優しく安全な手術を!
●従来の避妊去勢手術とは
従来の避妊去勢手術は、卵巣子宮や精巣に繋がっている大きな血管を縫合糸(手術用の糸)で 結紮(結ぶ)ことで止血し、卵巣子宮や精巣を摘出します。

この方法だと体内に縫合糸が残ってしまいます。
●問題点「縫合糸反応性肉芽腫」とは?
縫合糸反応性肉芽腫とは・・・体内に残った縫合糸に生体が異常反応を起こし、縫合糸を中心に腫瘍のようなできもの(肉芽腫)ができてしまったり、赤く腫れてしまったりする恐ろしい病気です。
この病気が発生した場合、外科的に摘出が必要になります。また外科的に摘出した場合でも再発することが多々あり、ステロイドや免疫抑制剤を生涯飲み続けなければならないこともあります。
いろいろな犬種で発生しますが特に日本ではミニチュアダックスでの報告が多いです。 縫合糸については絹糸での発生が多いとされていますがすべての縫合糸で肉芽腫形成が報告されています。
●リガシュアシステムでの糸を残さない手術
縫合糸反応性肉芽腫を防ぐためには縫合糸を使わないのが理想といえます。
当院では、リガシュアシステム(ベッセルシーリングシステム)を導入することによって 体内に糸を残さない手術を行なっています。

特殊な電気メスで血管をシールすることでしっかり止血することができるため、体に異物(縫合糸)が残りません。7mmの大型血管もシールできます。




●その他メリットデメリット
縫合糸反応性肉芽腫の予防以外のメリットは・・・
■止血が確実(縫合糸の緩みといった心配がありません)
■手術時間の短縮(麻酔時間が短縮でき体の負担を減らせます)
■血管処理が迅速なため腫瘍などの手術時にも力を発揮します。(脾臓の腫瘍など)
デメリットは・・・とくにありません。
動物の体に優しくより安全な手術と言えます。避妊去勢手術は一生に一度の手術です。
これから避妊去勢手術をお考えの方はご相談くださいね。